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zakki_diaryのブログ

日々の記録。

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今日は講義が午後だけなので、午前中に虐殺器官を見てきた。

講義終わった後深夜までバイトだったので、ブログ書こうと思ってたけど書けずじまいだった・・・

 平日の午前中の田舎ということで映画館はガラガラ。8人くらいしかいなかった。

G席の真ん中を予約していたけれど、F席の真ん中に移動した。今度からF席を予約しようと思う。

※以降ネタバレ含む

 

 

虐殺器官の感想を書く。俺は原作の信者ではないし、只の一読者の個人ブログだという逃げを初めに断っておく。

結論としては楽しめました。面白かったという感想ではなくて、考えさせられる映画だったなと思う。

正直、一度観ただけでは難しい内容だった。

所々原作と異なる部分があって、ラストの主人公の心情も違うと思うから、原作とはまた別物に感じた。

あっさりと序盤でアレックスが退場したのは笑った。あれは何故なんだろう。マスキングの脆弱性?それとも虐殺の文法なのか?

あと、主人公シェパードの掘下げが少なくて、母親の描写がないから原作で拘っていた罪の意識が見えてこなかった。ルツィアから罰を貰いたいというわけではなく、原作では何らかの文法にかけられている描写があって、ただ単純に恋愛感情なのかもしれないし、はっきりとは分からなかった。

シェパードの心意が見えてこない分、作品としての視点を倫理性へ向けやすかったなと思う。

自国の発展と安全は、後進国の犠牲の上で成り立っているというジレンマ。

アメリカを守るため、徹底的にテロの目を潰すジョンポールを、裁くべきか、抹殺すべきか。裁くことで、偽りの安全性が公になってしまえば、アメリカの安全そのものが覆ってしまう。抹殺してしまえば、事実そのものが無かったことになる。

無知の国民にも責任があり、事実を公表することで罪を背負うべきだというルツィア。

例え偽りでも、成り立っている社会を守るべきだというウィリアムズ。

 結局、シェパードはルツィアの言葉に従い、告発を行ったわけだけど、ただ告発するだけではなく虐殺の文法を織り交ぜていた。

これは多分、アメリカにも同じように文法を用いることが、他国に虐殺の文法を適用してきたことへの贖罪だったのだと思う。

例えジョンポールの行動が独善的であったとしても、アメリカのテロ行為0の安全性は、セキュリティ強化による恩恵ではなくて、ジョンポールの行動だったわけで。

事実を公表するだけではなく、国民に虐殺の文法を適用することが、アメリカという国家の、国としての償いだとシェパードは考えたんじゃないかなと思った。

映画では主人公の内面描写が少なかったから、原作の破滅的な終わり方と変えたんだろうなと思う。とはいっても、Cパートあると期待したけど・・・

エンドロール後にそういったシーンがあるんじゃないかと思ったが、なかった。

エンドロールにキムタクと中島?(平成かセクシーか)の名前があってびっくりした。ダンスシーンに協力したのかな。

 

虐殺器官の舞台では、手製の核爆弾がサラエボに落とされたということで、徹底的なセキュリティ規制が敷かれたわけだけど、こういった倫理性の問題は程度の問題であって、現代社会にも通じる部分があると思う。

ジョンポールが否定していたのかもしれないけれど、俺は道徳や倫理は環境に縛られると思う。

先進国に住んでいれば、先進国の立場から物事を判断する。人道的には、弱者を守るべきだけれど、何事もきれいごとで済むわけではない。みんな自国に余裕があるからこその善意であって、余裕がなければ他人に構っていられない。

現実における問題であれば、移民に通じるものがあると思う。移民を受け入れてしまえば、治安の問題が必ず生まれてくる。移民の悪影響を受けている人たちは移民反対の姿勢をとるけれど、移民の悪影響を受けていない人たちは、人道的な配慮を優先して移民を受け入れようとする。トランプの移民規制だって、半分以上は賛成なわけで、デモが目立つけどそれだけ賛成支持者がいるということも目を向けるべきだと思う。

要はどれだけお互いに譲歩できるかという、バランスの問題なのだけど、お互いの理解がないと厳しい話だなと思う。 

 

twitter上の感想ツイートを眺めたりしたけど、虐殺器官に対して思い入れのある人は厳しい意見ばかりだなと見てて思った(笑) 先入観なしに楽しめたので良かった。

ただやっぱり虐殺の文法という設定は便利すぎるよなあと思う。定義があいまいだし。

俺としてはウィリアムズ派なので、死んでしまったのが残念だなと思う。あのセリフは、ちゃんと自分の中に信念があって、正しいとは言えなくても、それが一国民としての責任だと思う。過去は過去として、少なくとも未来は変えていくことはできるから。

「この世界がどんなにくそったれかなんて、彼女は知らなくていい。この世界が地獄の上に浮かんでいるなんて、赤ん坊は知らないで大人になればいい。俺は俺の世界を守る。そうとも、ハラペーニョ・ピザを注文して認証で受け取る世界を守るとも。油っぽいビックマックを食いきれなくて、ゴミ箱に捨てる世界を守るとも」
「嘘っぱちだろうがなんだろうが、すでに走っちまってる経済は紛れもない本物なんだぜ」

 あと忘れないようにカエサルの台詞も書いておく。

人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない。